「おさんぽ絵日記 2026/10/12」
2026年10月12日 天気:晴れ 気温:じっとしてると寒い 場所:小海町
小海線の小海駅には、ホーム間を繋ぐ通路が地面にある。それが、私にとっては、ちょっとなつかしい風景だったりする。

二両編成のローカル線の駅が、私の生まれ育った場所の最寄り駅。
高校生になるまで木造電車が走っていた。昔の車両だから扇風機がついていて、でも、やたら暑い。あのつまみを押しながら開けるタイプのちょっと重い窓を、セルフサービスで開けるのが、いつもの風景。
今は無くなってしまったけれど、その電車のホームとホームの間には線路を横断する「公式通路」があって、移動ができるようになっていた。
ホームから線路に降り立つことへの罪悪感。それが、なんとも言えないスリルを感じさせるものだった。
小海線のホーム間を繋ぐ通路にも、同じものを感じる。だから、そこはかとなく、なつかしい。そしてちょっと、どきどきする。

10月のある平日の午前。小海線が到着すると、登山客がぱらぱらと降りてきた。
登山にちょうどよい気候だ。
みんなどこかうきうきしている。その様子を見るのが、私は好きだ。いい1日になりますように、と心のどこかでその人たちに話しかける。
地元の人と、遠くから来た人が入り混じる駅って、どうしてこんなに心をつかむのだろうか。
そういう駅のホームのベンチは最高で、一日中座っていても飽きない。
この人たちは、どこから来て、どこに向かうのか、なんてことを考えていると、あっという間に時間が経ってしまう。

それにしても、小海線の色合いは、おしゃれ上級者のする色だ。ちょっとくすんだ緑色のコンビネーション。里山の風景を走るのにも、ぴったり。
気動車のエンジン音。排気の匂い。空気が揺れるあの感じは、毎度胸をくすぐる。
近くで見るのもいいし、遠景で見るのもいい。重そうに揺れる稲穂の中を走るこの季節の景色が、お気に入り。

ああ、秋の日差しは気持ちがいい。あまりに気持ちがよいから、仕事の合間にふれあい橋のベンチで、みんなとお弁当を食べた。
でも10分くらいじっとしていると、風が冷たくて寒くなってくる。自然の美しさと、容赦なさ。そういうところも、この辺りらしくて、やっぱり好きだ。
きっと、あっという間に冬が来る。短い秋を楽しまなくちゃ。