閑をみつける 連載:私が好きな、まちのこの場所

「私が好きな、まちのこの場所ーー佐久穂町編」

2026.07.01櫻井 麻美

「私が好きな、まちのこの場所ーー佐久穂町編」

なんだかんだできっとある、いつもの町の好きな場所。観光スポットとして取り上げられる場所だけじゃないけれど、なんだか魅力的な景色。

例えば、いつも通る度につい立ち止まってしまうような。ぼーっと眺めてしまいたくなるような。うまく言えないけど、ついつい心惹かれる場所。

そんな私の、「私が好きなまちのこの場所」。小海町編に続き、今回は佐久穂町編。

みんながみんな、いいと思ってくれなくたって、別にいい。ただ、私はここが好き。佐久穂町にある、そんな場所について。

佐久穂町を一望するための、くねくね階段

千曲病院の裏手にある、くねくねと蛇行しながら続く階段。左右から草が茂っている感じも、ひっそりとしている感じも、大変心をくすぐられる。ちゃんと手すりもついていて、親切設計。お散歩コースにももってこい。踏みしめるごとに、心拍数が着実に上がっていくのも、健康づくりに最適だ。

階段の醍醐味のひとつは、登りきった後の内側から湧き出る火照りや心臓の音と共に感じる達成感。そして高い位置だからこそ見える、そこにしかない風景。それらを最大限に味わうために、この階段を上がっている最中はまだ、後ろを向いてはいけない。じっと足元を見つめ、一段一段登りながら、果たして上からはどんなものが見えるのだろう、と期待に胸を膨らませる時間がよいのです。

やっとこさ(といっても3分くらい)最高地点まで辿り着いた時、佐久穂町を一望するその景色は、もちろん晴れ晴れとして心地よい。なのだけれど、私が好きなのは、今歩んできた道のくねくね具合を愛でることなのでした。うん、今日も美しいくねくねだ。

アイス食べながらだべりたい階段

学校のすぐ下にある階段は、ここに子どもたちがいなかったとしてもなぜか青春を感じさせる佇まい。夏物の制服と、さーっと通り過ぎる自転車が似合う。初めて見かけたその日から、この階段にはどうしても物語を感じてしまうし、何度見てもやっぱり夏の雰囲気をまとっている。爽やかな透け感カラーが似合うあなたは、きっと、ブルベ夏ですね。

多分怒られるけれど、ここでガリガリくんとか食べて、答えの出ない話を永遠にしながら、日が暮れるまで友だちと過ごしたい。なぜそんな欲望を掻き立てるのだろう、と考えてみるが、答えはいまいちわからない。

もしかすると、このようなタイプの広い階段が、子どもの頃に遊んだ大きな公園や青春をテーマにした映画を思い出させるからなのかもしれない。言われてみれば、どことなく3年B組の土手にも似ているような……

カーブミラー越しにみる踏切の道

階段続きになってしまったので(そもそも階段が好きなのだ)、次は踏切です。東町周辺には素敵な踏切スポットがたくさんあるのだけれど、一番好きなのがこの踏切。

この辺りはまっすぐの道をベースに、そこを目指して斜めに道が合流する地点で、その複雑な道の交差具合がよいのです。尚且つそれぞれが平面上ではなく、少しずつ高低差がついているところもポイント。

素直に踏切を見てももちろんよいけれど、おすすめなのは、カーブミラー越しのこの絵。曲面に映ることで、心なしか臨場感が増しているような気がしませんか?手前に葉っぱがかかって覗き見っぽさが増しているのも、違うわくわくを醸し出してくれる。ぜひお試しあれ。

ぐーっと曲がる例のカーブ

佐久方面から佐久穂へ向かう際によく通る、この道。「畑ヶ中」の信号めがけての大きなヘアピンカーブは、いつもドキドキしてしまう。トンネルからたっぷり曲がっていく感じが、レーシングゲームさながらだからだ。少し飛んでドリフトしちゃったり、バナナの皮とか甲羅とか落ちてたりしないかな。

ちなみに、レーシングゲームは得意じゃない。なぜならゲーム内だとしても、安全を優先する思考になってしまうからだ。現実世界でも基本的に、運転中はネガティブ思考で最悪の事態になることしか考えていない。

だから、カーブを曲がっている最中も、このまま行ったらT字路にぶつかってぺっしゃんこだなあと想像しながら、減速しながらブレーキを確実に踏む。完全に停車したら、ほっと一息。よかった、今日も生きてる。

TETTO!

鉄塔と電線って、好きなんです。「景観を損ねる」ものとして語られることもあるけれど、私はその幾何学的な模様とか、私たちの生活を支えている役割とか、どこまでも続いているような先の見えない感じとかに、すごく魅力を感じてしまう。

佐久穂町にも鉄塔はたくさんあって、特にここでは周りに高いものがないので孤高の鉄塔を楽しむことができるのがお気に入り。広い大地にどっしりと立ち、空に向けて力強くそびえるその姿に、勇気をもらえるような気がするのです。

周囲の風景と合わせた全体のフォルムを楽しんだら、今度は細部を見てみるのもおもしろい。いろいろな部品がくっついていて、そのひとつひとつに着目すれば、新たな世界を知ることができるかも?──個人的には“碍子/がいし(白いそろばんの玉のような形の絶縁体)”がピアスみたいでかわいいと思う。

※町内の鉄塔については目下調査中なので、どうぞお楽しみに!

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小海町と佐久穂町の好きな場所について超個人的な観点から紹介してきて、ふと気づく。ここには入りきらなかった風景が、もっともっとたくさんあることに。そして、きっとまだ知らない素敵な景色もあるだろうということに。

町内のまだ見ぬ景色を、見てみたい。いつもとは違う道を歩けば、きっと新しい発見があるはずだ。だから、今日も積極的にうろうろする。

そして、他の人の好きな場所も、やっぱり気になる。もし、町中で編集部メンバーに出会ったら、あなたの好きな場所もぜひ教えてくださいね。